OpenWrtでのNTP向き先は?
2017年12月25日(月) 02:06 JST
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福岡大学のNTPサーバの話が盛り上がっているらしいので、少し読んでみた。
ENOG47 Meetingにある“公開NTPサーバーの運用と課題”というのが、該当する話の様だ。
「OpenWRTもしくはBroadcomのリファレンスコードに関係あり?」という処にマジカと気になった訳です。
とりあえず、家庭用ルータに組み込まれている系での話は、ntp_clientにハードコードされているというのが原因の様だが、僕が確認しておきたかったのは、OpenWrt本家ではどうなってたのか?という点。
OpenWrt本家でのデフォルト設定では0.openwrt.pool.ntp.org~3.openwrt.pool.ntp.orgが使われる。
で、過去どうだったのか?という点であるが
過去、White russian時代頃までは、nvramパッケージが存在し、nvramパッケージのコード内に、該当のNTPサーバのIPアドレス(133.100.9.2 clock.nc.fukuoka-u.ac.jp )が存在。
nvramの仕組み自体は、多くの民生品ルータで使われる設定の持ち方で、OpenWrtでも同様の仕組みを使用していた事がある。
該当コードは、以下になる。
https://github.com/openwrt/openwrt/blob/8304dfdacebbabb05cf8301c66c4002c543e8888/package/nvram/src/defaults.c
なので、福岡大学のNTPサーバを指定した状態となるケースは存在していた。
が、nvramパッケージは削除されるよりかなり前々から使用されなくなっていたので、使用している人は少ないだろう。
nvramの仕組み自体は、現在OpenWrtで採用しているOverlayFilesystem上にファイルとして設定を保持する形よりDualImage対応等が行い易く、現在OpenWrtをベースとして作成する場合にもnvramを実装するケースも残っていたりする。
その為、意図せず残っている製品が存在するケースは否定できない。
また、OpenWrtベースの製品なんてありえない的な発言も見られるが、OpenWrtベースの製品は予想より世の中には多い。(OpenWrt本家そのままベースとは限らない。各チップベンダーもOpenWrtベースのSDKを提供するケースが増えてきている為、そちらベースも存在する。)
チップベンダーが提供するOpenWrt SDKでは、nvramの仕組みも提供される事が多い。
余計な事をいろいろ書いてしまっているが、現在OpenWrt本家デフォルトでは福岡大学のNTPサーバをデフォルトで向く事は無いと僕は判断している。
なので、安心してOpenWrtで遊んで頂きたい。(電波法とかは守った上での話)
ちなみに、各チップベンダーもOpenWrtベースのSDKを出していると書いた訳だが、
チップベンダーが出しているOpenWrtベースのSDKは以下の様な物が存在する。
QCA Software Development Kit (QSDK)
https://wiki.codeaurora.org/xwiki/bin/QSDK/
RTL819X
https://ja.osdn.net/projects/sfnet_rtl819x/
MTK-OpenWrt
幾つかのMTKチップを使ったボードが、github上でコードを公開しているがライセンスが不明慮なのでURLは省略。
OpenWrtはハック用だと思われがちだが、SDKベース環境としても採用されているディストリビューションであり、OpenWrtだからといって信頼性が低い等は存在しない。
あくまでベース環境であって製品完成度は別である。
と、OpenWrtのイメージが悪くならない事を願いながら久々の記事でした。
ENOG47 Meetingにある“公開NTPサーバーの運用と課題”というのが、該当する話の様だ。
「OpenWRTもしくはBroadcomのリファレンスコードに関係あり?」という処にマジカと気になった訳です。
とりあえず、家庭用ルータに組み込まれている系での話は、ntp_clientにハードコードされているというのが原因の様だが、僕が確認しておきたかったのは、OpenWrt本家ではどうなってたのか?という点。
OpenWrt本家でのデフォルト設定では0.openwrt.pool.ntp.org~3.openwrt.pool.ntp.orgが使われる。
で、過去どうだったのか?という点であるが
過去、White russian時代頃までは、nvramパッケージが存在し、nvramパッケージのコード内に、該当のNTPサーバのIPアドレス(133.100.9.2 clock.nc.fukuoka-u.ac.jp )が存在。
nvramの仕組み自体は、多くの民生品ルータで使われる設定の持ち方で、OpenWrtでも同様の仕組みを使用していた事がある。
該当コードは、以下になる。
https://github.com/openwrt/openwrt/blob/8304dfdacebbabb05cf8301c66c4002c543e8888/package/nvram/src/defaults.c
{ "ntp_server", "192.5.41.40 192.5.41.41 133.100.9.2", 0 }, /* NTP server */OpenWrt本家では、おそらくここにしか該当するIPアドレスは無いと思われる。
なので、福岡大学のNTPサーバを指定した状態となるケースは存在していた。
が、nvramパッケージは削除されるよりかなり前々から使用されなくなっていたので、使用している人は少ないだろう。
nvramの仕組み自体は、現在OpenWrtで採用しているOverlayFilesystem上にファイルとして設定を保持する形よりDualImage対応等が行い易く、現在OpenWrtをベースとして作成する場合にもnvramを実装するケースも残っていたりする。
その為、意図せず残っている製品が存在するケースは否定できない。
また、OpenWrtベースの製品なんてありえない的な発言も見られるが、OpenWrtベースの製品は予想より世の中には多い。(OpenWrt本家そのままベースとは限らない。各チップベンダーもOpenWrtベースのSDKを提供するケースが増えてきている為、そちらベースも存在する。)
チップベンダーが提供するOpenWrt SDKでは、nvramの仕組みも提供される事が多い。
余計な事をいろいろ書いてしまっているが、現在OpenWrt本家デフォルトでは福岡大学のNTPサーバをデフォルトで向く事は無いと僕は判断している。
なので、安心してOpenWrtで遊んで頂きたい。(電波法とかは守った上での話)
ちなみに、各チップベンダーもOpenWrtベースのSDKを出していると書いた訳だが、
チップベンダーが出しているOpenWrtベースのSDKは以下の様な物が存在する。
QCA Software Development Kit (QSDK)
https://wiki.codeaurora.org/xwiki/bin/QSDK/
RTL819X
https://ja.osdn.net/projects/sfnet_rtl819x/
MTK-OpenWrt
幾つかのMTKチップを使ったボードが、github上でコードを公開しているがライセンスが不明慮なのでURLは省略。
OpenWrtはハック用だと思われがちだが、SDKベース環境としても採用されているディストリビューションであり、OpenWrtだからといって信頼性が低い等は存在しない。
あくまでベース環境であって製品完成度は別である。
と、OpenWrtのイメージが悪くならない事を願いながら久々の記事でした。